日本を値切り倒せ!カル○ールのバイヤーの必殺マニュアル

mitchell_desu2007-10-29


フランスを代表する大手小売業カル○ール。
当時「黒船来襲か」と恐れられたカル○ールも、日本市場では成功にまで至らなかったのはご承知のとおり。しかし低価格販売を実現させるための値切りのノウハウについては、見習うべき点があると私は考えています。

当時カル○ールのバイヤーには交渉用のマニュアルが配布されていた。その内容はエゲつないものだった。知人から見せてもらった私はさっそくそれをメモらせてもらった。。。
※5年ほど前の手書きメモなので、真偽のほどは読まれた方が判断して下さい。

  • 1 .熱意をもって、営業マンと交渉すべからず。

1)営業マンは売り込むことで、給料を得ていることを忘れるな。
2)給料を稼ぐために働かせ、奴らに努力させろ。
3)交渉の始めでも、熱意や優柔不断な態度を隠し、常に疑う態度を示せ。

  • 2 .最初の申し出には、常に否定的に反応しろ。

1)この策略は、価格交渉では恐ろしく効果的である。
2)その申し出が、「正直な」「魅力的」「他社より安い」などとは認めるな。
3)強引な売り込みに従うと、もう価格交渉に合意した様になってしまう。
4)価格について、常に「声をあげ笑い」「冗談だろう」等と言い、競合他社は対応してくれると、圧力をかけろ。

  • 3 . 常に、不可能を要求しろ。

1)最初の提案については、予想以上のものを求めろ。
2)その要求が過度であっても、競合他社は要求に合わせるものである。
3)好意を抱かせ、首尾よく交渉できた印象を持たせ、交渉の余地を広く持ち続けろ。

  • 4 .最初の申し出を受け入れるな。

1)どんなに素晴らしくとも、最初の申し出に飛びつくな。意外と難しいものである。
2)最初の申し出を受諾してしまうことは、両者に不快感をもたせるものである。
3)本当はもっと要求できたのにと後悔することになる。
4)バイヤーは、早く合意してしまうと、安価な申し出をさせられなかったと後悔し、何か欠落があるのでは、と疑い始めてしまう。

  • 5 . 「もっとうまく出来る」と命じる。

1)この言葉「もっとうまく出来る」は、交渉の行方を変えることが出来る。
2)この技術は専門家には熟知されており、価格交渉を行う際に利用できる。
3)ニクソン政府時代、キャシンジャー国務長官は、この技術を活用しべトナムに関するレポート内容を飛躍的にレべルアップさせた (部下から送られてきたレポートを「もっとうまく出来るはずだ」と突き返し、5 回の書き直しの後に初めて読み始めたという逸話を紹介している)

  • 6 .常に、誰かの部下となれ

1)国際企業の代表取締役であっても、経験豊富な交渉者は決定権が無い態度をとる。
2)一方、若い者は新たな責務に喜んでしまい、全権があるように振舞う過ちを犯す。こうした態度は、重大なる不利益を被る。
3)決定者として相手(敵)の申し出に口頭でも同意したなら、逃げ道が無くなる。
4)交渉終了後、最終結論を出す前に、上司の指示を仰がなければならない言うべきだ。
5)上司が合意しなかったという口実で、自分の結論を考え直すことができる。

  • 7 . 賢明で愚かに振舞え。

1)これは欲するものを手に入れるのに良い戦術である。
2)より愚かに演ずるほど、うまくできたようになるものである。
3)理解できないので、説明するように要求すれば、相手は哀れみをかけ、何らかの譲歩をしてくれるだろう。
4)また愚かに振舞えば、対立した言葉(台詞・交渉)に、逆らう(抵抗)ことができる。
5)優秀なセールスマンの熱意に水を差し、利益(メリット)をつかむことほど良い方法はない。

  • 8 . 見返りの無い譲歩はするな。

1)善意の行為を要求された時は、常に何らかの見返りを要求しろ。
2)この姿勢(方法)により、労せずして譲歩を勝ち取れる。
3)これは、自分が譲歩した場合には、良いこと(価値)がある。
4)自動的に見返りを要求するようにしておくと、他の要求でも、常に攻め続けられると相手に強く印象付けることが出来る。

  • 9 . 常に商談を中断できる準備をしておけ。

1)もし契約の署名に不満であれば、いつでも交渉の席を離れられることを忘れるな。
2)目的は、取引停止になるかもしれないという危機感を持たせ、圧力をかけるためである。
3)交渉を率先して中止でき、相手に取引失敗の責任を負わせることは、楽しいことである。

  • 10 . 「良い/意地悪な」役を演じろ。

1)これは、警察でよく使われる技術として知られており、効果的な交渉ができる。
2)役柄を使い分け、執着しなければならない。
3)「悪い奴」は存在しないし、この役を演じさせられていることに気付いていないものである。
4)若いバイヤーは、相手の問題を理解する「いい奴」になるも、優れた戦術は全く持ち得ない。
5)頑固で意地悪な鬼部長がいて、誰にも耳を傾けないので困っていると言う。これは2つの事を成しうる。1つは、交渉者との間に共謀と同情の感覚を引き起こす。2つ目は、おいしい譲歩につながる可能性が高まる。もし相手が、この戦術を使ってきたら、「意地悪な奴」と直接交渉することである。

  • 11 . 嘘の口実を使え。

1)例がある。機械を売り込もうとし、最後の価格を提出しようとした際、「申し出はひとつの事を除いては大変興味深い。納入日程が8月1日であるが、当社は6月1日に必要であった」と言う。社に戻り、この納入期限が不可能であることを知ると意気消沈する。翌日電話でその代償として2%の特別値引を申し出る。


2)これは嘘の口実の犠牲者である。実は、納入期限は重要ではなく、相手の目的は、価格を下げさせることであった。危うくなって、交渉で真の利益を見失うな。間違った論理に心を乱されるな。これは、試してみることの出来る戦術である。

  • 12 . パレートの原理を適用せよ。

1)どんな交渉でも、譲歩の80%は最終段階で行われる(全交渉時間の最後の20%)。即ち最初に提示された要求は、受け入れられる可能性は少ない。一方、議論の最後に譲歩を要求すると、利益となる。


2)商談が終わりに近づいていることを注意深く見守り、その時に合意内容を危険にさらし得る問題を表面化させること。商談の最後が相手の譲歩を引き出す絶好のチャンスである。

  • 13 .自己を窮地に追い込むな。

1)交渉は、重要であろうと無かろうと、1点に集中しがちである。このような場合、全て失敗する危険をはらみながら、両者はエネルギーや論議を1点に集中する傾向がある。こういう状況の場合、障害を回避し、論点を他に移すことを申し出ること。


2)例えば、「今はそれに関しては、そのままにしておいて、先にこちらの間題を決めよう」と言うことが出来る。これは、議論が厳しくなってきた際に、他の質問に議論をかわす技術となる。これらの戦術は、議論が開始される際になかった力を与えてくれる。

当時、ナショナルチェーン(全国に店舗展開しているチェーンストア)の担当営業マンだった私は、これらの交渉術について、すべてカウンタートークを用意して、どんな場面でも交渉負けしないように備えたものでした。今は本部スタッフとして、買い手の立場でこのノウハウを利用しています(モラルの範囲内で)。

エゲつない交渉に立ち会う機会の多い方、少しでも値引きを引き出したい方は参考になさってはいかがでしょうか?
ただしご利用は計画的にw

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