子供はバカ

子供の頃、電車で家族旅行をした。子供だから電車が好きで、弟と二人で妙にハイテンションだった。

ピーナッツを与えられたが、今考えるとピーナッツはあくまでビールとやるもの。ピーナッツばかりじゃ即効あきる。食べるのに飽きた子供は、食べ物で遊びだす。

ピーナッツを鼻に詰めて、片方の鼻の穴を指で塞ぐ。
「ロケット・パーンチ☆」
向かいの席の弟に命中。きゃっきゃとハシャぐ弟。

マネしてやってみるが、そこは子供の４歳差。向かいの席まで届かない。
「お〜っと！○○選手、届きません。だめパンチです」

オレは縦に２個詰めて「ダブル・パーンチ☆」
２発ともＨＩＴ！！さらにきゃっきゃとハシャぐ弟。

弟もマネして弾を込める。両方の鼻にピーナッツを詰めて、反動をつけて息を思い切り吸い込む。
・・・そのとき、弟に異変が生じたっ！

「オグッ、グエッ、でぁな〜い」
ピーナッツが鼻の奥に弾詰まりを起こしたのだ。

「痛だぁい！お母さ〜ん！！うわ〜っ！！」
猛烈な勢いで泣き出す弟。…楽しい家族旅行が一転して大惨事に！！

「痛だぁいよ〜！！うわ〜っ！！お母さ〜ん！！」
泣き叫ぶ弟。周囲もなにごとかと集まってくる。
なにもできないオレ・・・。
「どれ、○くん、見せてみて。ホラ」
母が鼻を覗き込むが、完全に奥まっていて、手の出しようがない。

「痛だぁい〜！！痛だぁい〜！！うわ〜っ！！」
火がついたように泣き叫ぶ弟。
「車掌さん呼んできましょうか？」
「お願いします。ホラ○くん、もっとよく見せて」

「痛だぁい〜！！痛だ・・・えっ、えっ、えくちんっ☆」
ポンッ
「・・・あ、出た」

・・・

くしゃみが弟を救った。
・・・子供はバカ。

★今日の教訓★
大きなことをしようとする人は
細部を深く考えなければならない
　　ポール・ヴァレリー