組織人事の解答ロジック

mitchell_desu2006-12-16


えっと、この事例1.については、生意気いいますが自信作です。
それは「高得点だろう」という自信でなく、「スゴいこと思いついた」なんです。今後のグローバルマクロを視野に入れた総合商社の事業展開について、学術的には(モデルケースとしては)面白い提案ができたと思いました。再現答案は別の日記にまとめたので、先にそちらを読まれた方が良いかもです。

以下は組織人事事例の解答ロジックを整理てしみました。私的には興味深いご提案ができたと自負しております。よろしかったらご一読下さい(´∀`)ノ
・問題はコチラから(たぶん期間限定)

■第3問 新しい事業展開の推進

第1問から、何がなんだか分らずに、全く方向性も定まらないまま、ただマス目を埋めていた。第3問(設問2)私の中では、ここに示された組織図がすべてのスタートとなった。組織図にメモを入れてるとき、「ハッ」と気づいた。

えっと成長してる市場が海外で、成長してる製品がファインと環境。組み合わせたら売れるよなぁ。ダメ市場が日本で、ダメ製品が農薬。…組み合わせてもダメだよな…えっ!待ってよ!!!

農薬だって、今の日本では負け犬かもしれませんが、かつては花形だったんですよね?でも、第1次産業中心の発展途上国なら、当然、21世紀でも花形になり得る。要は、今が何世紀かにかかわらず、市場の成熟度で取扱商品は異なるということ。
同様に、日本で1960年代に花形だった商材は、「日本でいえば60年代だよ」という国では、今でも売れる可能性が高い。映画「ALWAYS」みたいな段階の国では、やっぱり「冷蔵庫、テレビ、洗濯機」が売れるワケで、とうぜんその材料の需要は高い。 市場(その国)の成熟度でHOTな商材は異なる。

卸売業と考えるとスッキリしなければ、メーカーで考えたらどうでしょう?問題を単純化するために、経済学のような「他の条件を一定に保った場合」のモデルケースで単純化して考えて下さい。

「この農薬工場、もう売却するか?」
「いやいやそれがね、東南アジアから注文が殺到してるんですよ!」


「・・・じゃ、ブラウン管テレビ工場の方をツブすか?」
「それはアラブのB国向けに、18ヶ月後まで生産計画入ってます!」

※本当はメーカーでコレはあり得ない。工場の機械だって物的な耐久に限界があるから。メンテナンスの費用が求められたとき、儲かるか否かで経済的にジャッジがなされる。また、いくら中国が「日本の高度成長期なみ」といっても、やっぱり携帯電話は存在する。厳密には、他の条件は変化している。

■国家単位で生涯価値を追う

農薬ばっかり買ってた発展途上国だって、何年か後に「ALWAYS」並みの市場にまで成熟度を増した時には、テレビの部品の需要が高まるだろう。(極端ですが)去年の日本並みの国だったら、去年、日本で売れた商材の需要が高まっているハズ。…ということは、日本の1960年代並みの国が70年代に成長したときは、フレキシブルに取扱い商品を組みなおせば、やっぱり現地にとっての「ナウい」商品を提供し続けることができる。
ALWAYS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版

コレって、「国家レベルのLTV(顧客生涯価値の向上)」というテーマに結び付けて考えることはできないでしょうか?…だったら「新しいビジネス・モデルを示せ」というハードルはクリアできるかと。

■「選択と集中」って、リストラばっかじゃないよね?

選択と集中」って、閉塞的な今の日本のような市場では、「事業所の統廃合および閉鎖」や「人のリストラ」であると、ついつい考えがち。でも、成長している海外市場(強いて例えるならば日本の高度成長期)では、じょうずな拡張こそ望まれるワケで、撤退や縮小が「選択と集中」じゃないと思うんですよ。

成長市場における「選択と集中」って、今の日本とは別の定義にする必要があって、それが私の定義では、「どこを攻めるのかという【市場を選択】し、どの商品を主力として供給するのかという【製品を集中】させること」だと。
これが第2問(設問2)の題意かと。

最悪なのが、総合商社だからといって全方位型の品揃えをどこにでも提案するなと。市場(技術)に合わせろと。日本みたいに十分成熟した市場に、もう農薬は持っていくなと。ファインと環境に絞って持っていけと。…そ〜ゆ〜ことなんですが、伝わりますでしょうか?

では、これを組織のカタチ(ハード)に落とし込むとすると、一体どんな組織のカタチが妥当なの?フレキシブルな【市場:販売部】と【製品:商品部】の組み換えが、継続的に可能な組織。…それって、マトリクス型しか無いっすよね???
これが第3問(設問2) の題意かと。

・・・

確かに理論的にはokだ。しかし実務的に考えた場合、【市場:販売部】と【製品:商品部】を常に的確にコーディネートするなんて、相当に精度の高い情報を元に意思決定する必要がありますよね。
その問いに対する答えが、これだと思うですよ。
これが第2問(設問1)の題意かと。↓に回答を。

■第2問 「売上高400億、営業利益率3%」を見据えた事業展開

(設問1)海外拠点の発展的な活用法
ひとことで言えば、アメリカのCIAのような情報収集基地とする。
意思決定には3つの段階があり、それは[情報]→[設計]→[選択]だと。その頭である[情報活動]の前線基地として活用するワケです。具体的には、情報の網を張り巡らして「アッコの市場は、日本で言えば70年代でっせ」と調べておく。

では、後工程の[設計]→[選択]は、どうする?
白書によれば、海外で成功している企業に共通する特徴として、「現地に意思決定を大幅に権限委譲している」というのがあったように思います。情報を日本に送って、肌感覚の無い取締役たちが、月1回の取締役会議で意思決定するんじゃ遅いんだと。だから、意思決定についても大幅に権限委譲された前線基地。…前線の参謀本部みたいのを意識して解答したつもりです。

■第4問 高年齢者を活用する「メリットとは」!!

※これは架空の問題です。「仮にこんな問題あったら」と議論をすすめてみました。
(幻の第4問) A社は再雇用制度を積極的に活用すべきか否か?

海外への異動を希望する者を軸に、積極的に活用すべきである。高年齢者は、技術変化に応じたチャネル政策の変遷を時系列で体験しており、このノウハウを活かして、市場の成長段階に応じたチャネル戦略策定の相談役とする。

⇒もし私が、上記(幻の第4問)があれば、こんな風に考えたと思います。

商売って、市場の成熟度と商品の要素だけで成功するワケじゃないですよね?やっぱり営業部隊がチャネルをきっちりとコントロールしてないと、売上って安定しないですよね???
だから、市場と商品という軸に加えて、売り方のノウハウという要素もフレキシブルに組み合わせたら最強だと思った。

例えば、こんな感じ…

「相談って何よ?60年代の日本のチャネル政策はどうだったかだって?
そ〜だな〜、60年代のKFSは、代理店の倉庫にカベできるまで押し込むことだよ。くしゃみしたら鼻から商品でるぐらい。 小売んとこいちいち回って、リテールサポートなんかいらんよ!


コツ?そりゃ代理店の支店長を接待づけに決まってんだろ! 60年代の接待といえばキャバレーだよキャバレー!ガハハハ☆…で領収書切ってイイ?」

なんて後半は冗談ですが、ノウハウはやっぱり人につくと思いました。

市場/製品/ノウハウ(人)という要素をフレキシブルに組み替えできる組織。こんな組織が実現するならば、それは「ハイパー・マトリクス組織」「ハイパー・フレキシブル組織」とでも言うべき、組織になり得ると思う。市場の変化に柔軟に対応し、かつ国単位でのLTVというか、ひとつの国の成長に合わせて継続的に商売できる。個人のLTVですらパワーなのに、国家単位ってスゴくないですか???
なんか試験中に、ひとりで興奮してた(;゜∀゜)=3ムッハー!!!

・・・

以上の私の受験体験から汎用的な(アナタにも応用可能な)話をピックアップすると、以下のようなことが言えます。

■「消しゴム王子」でも受かるってば!

・消しゴムを大量に使っても点数には(ほとんど)影響しない!
⇒私は第1問を残して、すべて消して書き直しました。しかもですよ!過度な緊張のため、よりによって消しゴムを出し忘れて、エンピツの後ろの消えない砂ケシみたいので消したんです。・・・よって解答用紙は紙質ボロボロです。波状のウエーブかかって汚いです。文字残りまくりです。でも合格しました。

「解答用紙が消しカスで汚いと心象が悪くなり点数が低どまりする」という話は迷信です。「これだ!」というヒラメキを大切に、心行くまで消しゴムを使って下さい。(でも消しゴムは忘れずにw)

・字が汚くても点数には(ほとんど)影響しない!
⇒私は残り30分弱の段階で(ほぼ)すべて書き直したので、字はめちゃめちゃでした。自分で分かってても、「白紙が残るよりマシ」と割り切りました。元々が汚い方なんで、「最悪の文字ワースト10」には入っていたかと思います。でも合格しました。…ということは、字が汚くても内容を読んでくれるという証明かと思います。

不合格だった方の中には、(ジョークでしょうが)「ペン習字からやり直す」という方もいらっしゃいます。しかしそれはナンセンスと思うですよ。だってすべての努力は、効果的であること望ましいですよね。

採点基準がブラックボックスなテストだから「オレは書き直したから心証が…」「消しゴム3回以上使ったから落ちた」とか検討違いのとこで自分を責めがち。でもね、誰かが思いついたウソの脅し文句で、自分の首を絞めないであげてよ!

会社の、経営に近いとこにいる、とある先輩が言ってました。

「経営には明らに間違いという選択肢はある。それ選んでちゃボーダーとしては失格だよ(笑)。でもね、それ以外の残る間違いじゃない3つの選択肢のうち、どれを選ぶのが正解か?それは分からない。それを決めるのが企業の個性や社風なんだ」

明らかに間違いな迷信やお化けを、信じることないすよ。そんな余計なことまで神経すり減らしてたら、ホント自分がかわいそ過ぎるって! これから味わう苦しい時間、オレも味わった。アレ思うと、少なくとも正しい3つの選択肢の中で右往左往してもらいたいんですよ!間違いや迷信はキチっと排除した上で、残り3つの中から自分の根拠で1つに決め付ける、「自分の」答えを出す為の苦労だったら頑張れるじゃないすか!?

嘘や迷信に苦しめられることなく、あなたの答えであなたの栄光をつかんで下さい!!!
(コンピュータトラブルで受かったヤツ【社外秘】が偉そうにすいません)

と、そんなこんなで、私の再現答案を終わらせて頂きます。
ご静聴ありがとうございました。(パチパチ)

■[診断士・2次試験]

 ▽古臭いオジさん世代が、輝き続けながら働く方法
    ⇒人事組織の事例を、違う角度から考えてみた