古臭いオジさん世代が、輝き続けながら働く方法

mitchell_desu2007-02-22



分裂勘違い君でこんな記事あったんですが、オデはちょっと違う感覚を持ってます。

能力の価値は、予期しきれない社会構造の変動で簡単に不良債権化します。
たとえば、ある食品流通会社の部長は、古いスタイルでの食品流通の知識・経験・ノウハウは非常に高いのにもかかわらず、社会構造の変動で、そのノウハウの社会的ニーズが劇的に少なくなり、長年育ててきた能力が不良債権化してしまったとします。
もちろん、それも、将来の労働力需給バランスを予測し、マーケティングし、戦略的にスキルアップしてこなかったためであるから、どこまでも自己責任である、という議論も可能です。

・・・うん。確かに総論では大賛成です。
特に「必ずしも生産性と結びつくわけではない資格や職種特有のバッドノウハウも参入障壁の一種として機能するというオレ流経済学な定義」なんて但し書きは、自分のこと言われてるみたいで笑っちゃいました☆
・・・「必ずしも生産性と結びつくわけではない資格」orz

■「過去の人」が輝く市場もある!

でもね、こんな事例があったんですよ。
それは海外部の先輩Aさんとサシ飲みしたときに教わった話です。

かつてトップセールスだった50代の大先輩Bさんの話です。
今、ウチの国内の営業スタイルは、「POS分析して棚割りの最適化する」とか、メーカーであっても提案営業という方向にシフトしてます。IBMじゃないですが、「モノを売るな!提案を売れ」みたいな言葉が立場の違いもわきまえずに声高に叫ばれたりしてます。

そんな周囲の変化がある一方で、かつてのトップセールスだったBさんは、昔のスタイルを変えず、重要なポジションで結果を残せなかったこともあって社内では完全に「過去の人」扱いされてた方です。Bさんが話題に出るときは、ほぼ「環境に適応できないと・・・」というときの例題となってた方です。

今はBさん、中国で仕事されてるんですが、その評価がスゴいんです。
社内の評価というより、現地の中国の方からの評価が大絶賛らしいです。

「Bさんの話をぜひ聞かせて下さい」と講演会に招かれたりとかですよ!
そこでの話ってのは、ぜんぜん最新のマーケティング理論とかじゃなくて、日本では古臭くて誰も聞く耳持たなくなってたノウハウだそうです。かつてBさんをトップセールスたらしめた「古き良き時代の」ノウハウだそうです。。。

■ノウハウの製品ライフサイクル

・・・で、そのとき思ったんです。
製品ってその国の成熟度によって、市場を変えればまだまだ製品ライフサイクルの成長期にあたったりするじゃないですか。例えばブラウン管テレビ。日本じゃ、みんながみんな買い換えるなら「薄型・大画面」。でも、電気のインフラも整備されてないような途上国にとっては、旧式のチャンネル型テレビだって、めちゃめちゃ人気なワケですよね。

国によって製品ライフサイクルが違うから、製品を変えることなく市場を変えることで、季節労働者のように需要あるとこに移動しながら生き延びるってやり方あるんだなとは思ってました。だからこそ海外進出って、「国内でも売る。海外でも、さらに売る」っていう規模の経済性というメリットがあるのは自明かと思います。それに加えて、「かつての生産・販売ノウハウが、そのまま活かせる」って、販売シナジーってのも効くと思うです。

でもBさんの例を聞くと、それってハードな製品の話だけじゃないんだなぁと思ったんです。
講演会みたいなソフトな製品についても、このロジックって転用できるんだなって思ったんです。

■輝きを取り戻したオジさん世代

で、Bさんなんですが、日本にいたころは体調を崩されたりされたこともあって、すっかり落ち着いちゃったイメージがありました。なんかオーラを感じないというか、生命の輝きみたいなものとは反対な陰りオーラを放ってた感ありました。しかし今やすっかり体調も回復され、中国の広い大地を飛び回ってるんだとか・・・。

それって単純に素晴らしいことと思うんですよ。もちろんBさんの話から感銘を受ける聞き手側にとってもイイ話なんですが、もっと強く思うのが、Bさん自身がかつての輝きを取り戻されたってことなんですよ。確かに時代をキャッチアップする努力は怠っていたと言われてしまうかも知れません。しかし、彼のノウハウだって、市場を変えればまだまだトップセールスコンピテンシーだったりすると思ったんですよ。

時代の変化を追いかけ続ける。
疲れても追いかけ続ける。学び続ける。
確かに有力な方法だと思います。否定はできません。

でもね。自分は変わらず棲み家を変えることで輝き続けるというモデルもアリなんじゃないかと思ったんです。少なくとも一人の人間の生き方として、どっちがいいんだろうか?と考えさせられたんです。。。

■でもインターネット時代に古臭いノウハウが生き残れるかなぁ???

確かに疑問は残ります。インターネットみたいに最新のノウハウが、ほぼノーコストかつ瞬時に世界中に広まってしまう現代において、そんな古臭い話で生き残ることって、あり得るの?
って、そんな疑問です。でも現実には、そんな話ってあると思うんですよ。

例えば、大前研一さんの本なんかによれば、「エクセレント・カンパニー」を大ヒットさせたトム・ピーターズなんか、いまだに「ピーターズの7Sモデル」って80年代のフレームワークで世界中を飛び回ってるとか。
大前さんに言わせれば「中東の最高級ホテルでバブリーな講演会やってるのを見るとズルいと思う」とかw
マイケル・ポーターなんか、30代の頭から競争戦略でナンボ儲けてんねん」とかwww
(コメントはオデ流のアレンジです)

トム・ピーターズ、マイケル・ポーターは確かに世界的な有名人です。だから講演会なんかのオファーも、その講演料もケタ違いだそうです。しかしBさんみたいに、世界ではまったく無名の方だって、場所さえ違えばやっぱりニーズはあるですよ。

もちろん、「そんな焼き畑農業みたいな生き残り方で、安定した継続が見込めるの?」というツッコミは成立します。しかし、それはどちらか言えば瑣末なオペレーション(方法論)の議論だと思うんです。伝え方をより分かり易くするための工夫とか、ニーズの有無をキャッチするアンテナの配置とか次第で、まったくノーチャンスと違うと思うんです。

むしろ私が強調しときたいのは、古臭いと言われてたオジさん世代だって、一生輝き続ける方法ってあるんじゃないってことです。新しいマーケティング理論とかITの進化を追いかけ続けるという生き方よりも、なんかそっちの生き方を探求する方が楽しみないですかって話なんです。


 こんな例も、、、ちと違うけどw
ネット弁慶増加のおかげで、アナログな生き方の彼は勝ち組になれた

■テーマは「PLCの違いを突いて生き残れ!」

・・・で、そんなことをモンモンと考えてた時期あるので、診断士試験の事例1.の「(幻の第4問)A社は再雇用制度を積極的に活用すべきか否か? 」について、あんな風に考えたワケなんです。事例1.「組織・人事事例」を通じて、「PLCの違いを突いて生き残れ!」という切り口が80分の中で浮かんだんだと思うワケなんです。。。


新しいネタを追い続ける生き方。新しいショバを追い続ける生き方。
これって、どっちもアリなんじゃないですかね。