最も効率的な2日目の終わり方(3)

mitchell_desu2007-03-15



まいど!ミッチェルです☆
東京エリアで実務補習、受けてきましたですYO!!!


中小企業診断士、実務補習は2日目をどう終えるかが成功のカギ。
じゃ、2日目をどう終えるのがいいのか? そのためには、何に注意する必要があるのか?
まとめてみますた。


今日は、その3。ラストです。2日目の具体的なスケジュールを考えてみる。
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●2日目のタイムスケジュールを具体的に考えてみる
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【時間】午前中に情報を整理する

定性的・定量的な分析を、表レベルで午前中に済ませておくこと。従って、前夜の決起集会は早めに切り上げ、早朝からハイペースで作業を進める必要がある。ムダ話を避け、黙々と作業に没頭すべし。



【ポイント】メンバーへの作業割り当て

また、メンバーへの作業割り当ては、定性的と定量的で大きく2分する。
「財務分析」等の定量的な分析が必須のメンバーを、まず定量分析に割り当てる。残りのメンバーへは、SWOT抽出やインタビュー整理等の定性的な分析に割り当てる。

【時間】13時までに完了しておくこと

午後からの全体ミーティングの事前準備。午後イチで、各パートの分析結果を報告する。表やグラフはUSBメモリ等で共有しておき、その上で紙媒体にて配布してから報告を実施する。



【時間】全体ミーティングでのポイント

各パート別に報告を行う。SWOT等の定性的な報告を先に行い、定量的な報告は後にする。理由は、大局を大きく掴むことで、頭の中にロードマップを作るため。先に整理箱を作ってから、細部についての情報を提供する。
報告のポイントについては、各自メモを取り、後工程となる「SWOTの精査」にて活用する。このとき、機材としてプロジェクタがあれば、報告の効率は格段に上がる。指導員の運・不運がここで出る。

【時間】報告は1パート15分、質疑応答に10分。

計25分の6セット。1時間ごとに10分の休憩をはさみ、脳をリフレッシュさせる。計180分(3時間)の作業となる。


【ポイント】報告は、3つの内容を箇条書きで説明する
報告のポイントは、

  1. 表の見方、
  2. 特徴的な点、
  3. ここからなにが言えるのか、の3点で説明すること。

物語を読んで聞かせるような、ダラダラ報告には陥らない。区切りを明確にして報告すべきである。特に3.が重要。「数字がどうだった」でなく、「だから何が示唆されるのか」を充実させるべきである。数字を読み上げるのは、気の利いた小学生でもできる。大切なのは、数字から意味を見出すことだ。

・・・と、ここで16時となる。

【時間】SWOTの洗い出しを17時までに済ませ、場所を移動する。

繰り返すが、この2日目がカギである。この2日目を妥協すべきではない。結論を出すまで残業する。2日目が成功すれば、以降の日程で「残業ゼロ」が実現できる。繰り返す。この2日目を妥協すべきではない。

【ポイント】SWOTは、戦略レイヤー順にソートする
SWOTは、高レイヤー順にソートして、戦略パートか機能パートかを明確にする。例えば、「ビジョンやミッション」は上の方に書き、「タイムカードの不備」みたいなのは、下の方に書く。
理由は、作業の割り当てが戦略のレイヤーごとに分担されることが多いためである。各作業者がSWOTを参照する際に、自分が重視すべきポイントが上に書いてあるのか、下なのかが分かるので、各担当が拾うべき論点が整理される。


【ポイント】「今後の方向性」をコンペ方式で出し合う
「今後の方向性」についてのすり合わせコストが、最も時間のかかるフェーズであるといえる。ブレストで進行させるのは、効率的な仕切り方とは言え ない。80分で事例すべてを解いたメンバーが集合しているにもかかわらず、120分たっても「今後の方向性」すら決まらない場合がある。知的労働資源のム ダ使いである。
では、対策はどうするのか?


ここでは、「すごい会議」のノウハウを応用したい。具体的には、「各メンバーが自分の意見を紙に書いた上で述べる。すべてが出きった段階で、もっ とも妥当と思われる意見をたたき台として、そのたたき台を部分的に補完するカタチで意見を調整する」という方法を採用する。プレゼン時間は、1人10分。 各自が100文字で「今後の方向性」を書き上げて上で発表。全員の発表が終わったらコンペ方式によって、たたき台を選出する。


**【ポイント】宿題の割り当て方
「こう提案する」「なぜならば」を1セットにして、1人あたり数セットを作成する。具体的な提案を求める点については、特に説明の余地は無いと思われる。


ここで重要なのは「なぜならば」、いわゆるエビデンス部分と提案との整合性である。「エビデンスを必ず裏づけとして準備した上で、提案を作成す る」という感覚は、普段、提案書を作成することが少ない人にとっては、意識しなければできないことである。つい「言い放し」の提案に陥りがちとなる。「こ う提案する」「なぜならば」を1セットにすることを、共通の約束事として徹底する。


【ポイント】では、どんなエビデンスが妥当か?
提案の根拠となるエビデンスは、どんな方法で証明するのが妥当だろうか?具体的には、大きく3つが考えられる。

  1. 定量的なデータで裏づけする
  2. 中小企業白書」や、「中小企業庁が発行する報告書」等にて裏づけする
  3. 定性的なデータで裏づけする

1.は、「こんな数字の結果が出ている。だから、こうすべきである」
2.は、「こんな報告がある。だから御社も、それを応用して〜」
3.はなるべく避けたい。とかく多用されがちであるが、9日目以降でもこの証明法は比較的容易に導き出せる。よって、個人の宿題では、1〜2.をメインに作業を進めるべきである。

「なんのため?」

と、こんな感じで段取りを組めば、効率的に次の全体ミーティングを迎えることができると思います。しかし、ここで疑問を持つ方もいらっしゃると思います。それは、
「効率化は、なんのため?」
「時間がかかっても、全員で議論して、答えを導き出すことにグループワークの価値があるんじゃないの?」


それに対して、私はこう思います。
「戦略<個々の施策」こそが中小企業にとって大切なことが多い。だから、「議論は最小限に。個々の問題の深堀りと提案のブラシュアップにこそ時間を」と思うです。
理由は、短期的な課題を抱えてるケースが多いから。
「海外進出すべきか否か?」みたいな大きなテーマのときは別として、多くの場合は短期的でオペレーショナルな改善が求められることが一般的だからです。それは、ウチの子会社の話を聞いててそう思うです。

タバコ部屋で、資料なんか広げながら話てるの聞いてると、つい「あ、それは行動させたい方向と、評価基準のアンマッチですよ」とか口を挟みたくなるとです。聞かれれば要所だけ簡単に説明さしてもらいますが、私もドップリと数ヶ月そこに入り込んで、実際に作業から手伝うワケにもいかないので、詳細の 説明までは気が引けるとです。
というワケで、(一般に)中小企業は、短期的、オペレーショナルなレイヤーに重要な課題あり。だから、重要な提言を充実させたい。そこで、それらに特化して、充実さえ得るような段取りを考えてみたワケでした。
(終わり)

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▽最も効率的な2日目の終わり方(1)
⇒なぜ2日目がカギになるのか?


▽最も効率的な2日目の終わり方(2)
⇒0日目、1日目でなにを終わらせておくべきか?