ヒヤリング「聞く技術」

mitchell_desu2007-09-25


コンサルティング提案するときに欠かせないのが「関係者へのヒヤリング」。聞きベタを自認するオレにとっては、いつもコレが悩みの種だったりする。今回の案件で気づきがあったので、ちょっとまとめてみました。

■ヒヤリングで注意すべき2つのこと

今回の案件では、全体のまとめ役としてイケてるコンサル氏が入ってくれた。そのコンサル氏から、ヒヤリング前にこんなアドバイスがありました。

・ヒヤリングしてる人間以外は気配を消してくれ。リアクションは不要。


・相手が黙っても沈黙を恐れない。2分間は相手の言葉を待て。

「やけに消極的な姿勢だな」と思ったんですが、後にこの方法が鉄板だったことに気づくことになる。

■聞かれる側のきもち

「オレはどう聞けばいいんだろう?」って自分の都合ばっかり考えてたがちですが、一度聞かれる側のホンネを知っとくのも良いカモです。

活字中毒R。「僕が人の話を聞く時に、絶対にやらないようにしていることが一つあります」

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?key=60769pg20070828

御厨貴:僕が10年来経験を重ねてみてわかったのは、聞く時には「自然体」が一番いいということです。こっちが「聞くぞ」と意気込んでると、向こうもなんとなく「答えないぞ!」みたいに構えますから。


阿川佐和子:力を抜く?


御厨:最初から自分は何でも知っているという姿勢で臨むのではなく、知らない、よくわからない、だから聞きたいというスタンスですね。


阿川:ニコニコなさる?


御厨:いえいえ、それはあまりやると向こうが嫌がるからしない。現場に行って、先に来ちゃったから、部屋でボケッと座っているような感じです。


糸井重里:あっ、その「ボケッと座ってる」という言い方、すでに好感持っちゃうな。


阿川:以前、城山三郎さんにインタビューした時、城山さん、まさに先に座って、ボケッとしていらしたの。「申し訳ございません。お待たせして」と言うと、「いやいや、前の仕事が早く終わってね」とニコニコ。その後ですよ、聞き手なのに、私が2時間しゃべりまくってしまったのは。最初のたたずまいから始まって、何聞いても「おたくは?」なんて具合だから、「聞いてください!」とばかりに私がガーッとしゃべる。終始、「どうして?」「それから?」「いいねぇ、おかしいねぇ」くらいしかおっしゃらないんだけど、これこそが究極の聞き上手だと思いました。


糸井:「ボケッと座っている」ことの中には、多くのことが入っているんですね。


阿川:つまり、「あなたを受け入れるよ」という態勢ですよね。


御厨:自然体という表現でいいのか、あまり「図らなく」なってから、僕は前ほど疲れなくなりました。


阿川:自然体も大事なんだけど相槌も大事じゃないですか。知り合いの男性編集者は、「あー、そうスかぁ」というのが癖らしくて、「ごめん。原稿が遅れそう」と言うと、「あー、そうスかぁ」。申し訳ないから「この間、ケガしちゃって」と説明しても、「あー、そうスかぁ」……何だか寂しくなってきちゃって、「それは癖?」と私が聞いたら、「何がですか?」と言うんで、「『あー、そうスかぁ』っていつも言うじゃない」「あー、そうスかぁ」と答えるの(笑)。逆に相槌のうまい人は、相手を話しやすくさせますね。


御厨:相槌でも、「なるほどね」というのは賛否両論あります。相手が精いっぱい話している時に「なるほど」と相槌が入ると、「あ、そうですか。じゃあ次は?」と急かされているような気になる。非常に苦労した話をしている相手に、「なるほど」と簡単に言ってしまうと、「おまえにわかんねえだろうが」と思われたりね。


▽全文はコチラから

http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?key=60769pg20070828


(「おしゃべり革命を起こそう」というテーマの糸井重里さんと御厨貴さん(オーラル・ヒストリー(口述記録)の研究者・東京大学教授)、阿川佐和子さんの鼎談の一部です)

■相槌過剰では?

一般には聞き上手というと、「傾聴」が求められ、具体的には「リアクションや相槌(あいづち)を行おう」とか、「先を促そう」なんて言われることが多いですよね。

▽参考:議論パターン 『聞き上手』

http://www.shos.info/develop/oo/dscsnptn.html#listener


状況: 議論の相手の主張が十分に引き出せない。


対策: 相手の主張を以下のようにしてしっかり聞き出し、またふくらませて行こう。

* リアクションや相槌(あいづち)を行おう
* 先を促そう
* より深く聞こうとしよう
* 賛同部分に賛同しよう
* 自分が関心を持っていて聞きたい部分が何処かを示そう
* 相手が「こだわり」を持っていて話したがっている部分 (こちらが相槌を打ったり質問をしたときに相手が話を膨らませる部分) について、より多く聞こうとしよう


関連パターン: 何より心から『相手の尊重』をする。これと『意見や感想』を上手に使って相手の主張を理解しよう。

でもコンサル氏のアドバイスと、ヒヤリング経験(したり・されたり)豊富な方の意見から新たな気づきを得た。それは、相槌にはプラスとマイナスの効果があって、「相槌を打たないこと」も意外と有効なんだということ。

しかし、これはオレの特性なんだけど、「リアクションが早すぎて、ホントに聞いてるのか分からん」と言われる。自分では相手の言葉を先読みして、その仮説が合ってれば「なるほど」と感じてうなずいたりしてるつもり。でも話し手からは、

「なるほど」と簡単に言ってしまうと、「おまえにわかんねえだろうが」と思われたり

してたんだろうな。お前「なるほど」言いたいだけちゃうんかと(略

サービス精神旺盛な人ほど同様な傾向がみられるようですが、心当たりありません?

■「リアクション薄い」+「報告書に盛り込む」。これ最強!

先ほどのコンサル氏のアドバイスは、この2つ。

・ヒヤリングしてる人間以外は気配を消してくれ。リアクションは不要。

・相手が黙っても沈黙を恐れない。2分間は相手の言葉を待て。

いわばリアクション薄い系の技術。しかし、これだけだと負の連鎖に陥る可能性が残ります。具体的には、

リアクション薄い→ホントに聞いてるのかよ?→クライアントとの関係性ができずに報告→納得感が得られない

てな感じ。

負の連鎖を避けるために、先のコンサル氏は、こんな手法を併用してました。

・相手に顔や胸を正対させて、じっくりと待つ


・答えを急がせたり、こちらが要約する必要は無い


・「ちゃんと聞いている。理解した」は、議事録や報告書(の特に前半部)で示す←コレ重要

リアクション薄い系の技術を用いる場合は、その代替として「報告書で示す」ことが特に求められます。具体的には、「聞いたことを引用し、盛り込むことで受け止めたことを示す」という手法です。相槌の代わりに、報告書で「あなたの言葉、しっかり受け止めましたよ」を示すわけです。

聞きベタを自認される方はお試しあれ。

・・・

確かにキャ○クラでも、途中でつまんないチャチャ入るとムっとくるもんな…。

「俺の、俺の、俺の話を聞けえぇぇぇ」 クレージー・ミッチェルでした(´∀`)ノ