モノを売るな体験を売れ

mitchell_desu2008-01-06

まいど!ミッチェルです(´∀`)ノ
小売業の今後を考えていく上で、なかなか興味深い記事を3つ見つけました。お時間のあるときにでもどぞ。

コモディティが抱える潜在的な閉塞感

「終わりの始まり」―― 音楽業界の2007年と2008年

音楽ビジネスはもともと純粋な音楽ファンを相手にした商売ではなかった。それよりも、音楽自体に対する関心の強弱とは関係なく、音楽を媒介にしたコミュニケーションに興味ある一般層がターゲットだった。


カラオケはいまだに人気があるが、コピーで事足りるようになった以上、CDは売れない。ロックフェスのチケットはいつもソールド。友達や恋人と一緒に夏の思い出を作る。だがそこに出演していたアーティストのCDは売れない。


CDを聞いてもモテない。CDを聞いても友達は出来ない。CDを聞いても関係性は作れない。だから売れない。「みんなが聞かないからみんなが聞かない」というスパイラルにどんどん落ち込んでいく。

ここで述べられているコモディティの閉塞感ってなにも音楽業界に限った話ではないかと。

■一見関係がなさそうな「関係」の話

『モテたい理由』関係性がすべての時代

 モテ、モテ、モテ、と昨今強迫神経症のように言われているが、「人々がなぜモテたいか?」という本では、ない。人々の多くは「モテたい」と思う前に「モテ強迫」に包囲されたからだ。私も含め。実を言えば「モテたい理由」は編集部が知恵を絞ってつけてくれたタイトルである。けれど言われてみれば、私はそういうことを書いた。これだけ人々が「モテ」を考えさせられるからには、そのことの理由と歴史的必然があるはずだ。その驚愕の真実は! 本当に驚愕なので……ここで手短には言えません。


「モテ」というのは、字義通りモテなのではない。「関係性ですべてが判断される時代」のことだ。関係性がすべてならば、それがもとから得意な女性はさらに「それだけ」になり、不得手である男性には、立場がなくなる。

一見して話は、小売業とは離れたようですが、消費者のニーズの変化という点では注目すべきかと。

■これらを統合したひとつのヒント

【Watcherが展望する2008年】 コモディティとならざるもの

○体験(experience)はコモディティ(commodity)にしようがない


ニコニコ動画で動画を視聴するというのは、単に動画というコンテンツを眺めることではありません。その動画を見た他の視聴者と、コメントを介して体験を共有することなのです。コメントを切って動画だけ見ることもできますが、それではYouTubeと変わるところはありませんし、実際そうやって動画を見てもあまり面白くないのです。


ニコニコ動画がなぜ画期的か。それは、コモディティであるはずの動画を、「みんなで見て語る」という体験に変えたことなのです。そして体験というのは、コモディティになりようがないのです。


コモディティであれば複製が可能です。そしてデジタル情報というのは100%複製が可能である以上、究極のコモディティなのです。暴落するのは必然だったのです。「所有者」、または「著作権保持者」たちは懸命にそうならないよう努力してはきましたが、そのやり方ではどうあがいてもうまく行きそうにないというのがバレてしまったのが2007年だったのではないでしょうか。


書籍、アニメ、雑誌、映画、番組....これらはすべてコモディティです。しかし「あの本を読んだ」「あのアニメを見た」「あの雑誌で見た」「あの映画を見た」そして「あの番組を見た」は、コモディティではなく体験なのです。そして、体験というのは、共有者が多ければ多いほど価値が出る。一人で映画を見るよりカレカノと一緒に見た方が楽しいのが当然のように。


持つな、もてなせ。

で、やっと本題です。
ご存知のとおり小売業は、PBや一部の超高級ブランドを除けばコモディティを販売せざるを得ません。かつては価格の地域差は存在しましたが、「価格.com」や「半額.com」のようなツールが一般化している今は情報の非対称性による価格差が許されない状況になってきています。コモディティはさらにコモディティ化し、販促効果は価格効果に対してますます不利になっていると思います。小売業の上位集中という外部環境も、この傾向に拍車をかけていると言えるでしょう。
そこで、販促の味付けとして上記の「体験」であったり「もてなす」は、今後、有為の度合いが増すのではないかと考えます。

■体験系販促ならこの人では!?

「体験」であったり「もてなす」について、今現在のオーソリティというかフロントランナーは誰かと考えたとき、私は、日経MJ誌等でお馴染みの小阪裕司氏の名前に思い至りました。そこで私は早速、podcast番組をiPodに落としこんでみました。私は仕事で2年ほどお世話になり書籍も数冊読みましたが、改めて本屋をブラウジングしてみようと思っています。

ここでは小阪裕司氏のpodcast番組をご紹介します。iPod等、お持ちでしたら、iTunesを開いて、右上の検索ボックスに「小阪裕司」と入力すると番組が抽出されますので、ここから選べばよいかと。
うーん。これからは体験や関係ですな。ミッチェルでした(´∀`)ノ